相続税大増税時代の相続対策

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相続と土地評価

2015年1月の相続税法改正や少子高齢化による相続への関心の高まりなどの影響で、各業界が「相続ビジネス」に注力をしています。

税理士や司法書士などの各士業、不動産・保険・証券・葬儀業界などが相続に関するセミナーやイベントを行っていることもあり、一般の人の相続に関する関心が以前よりも高まっています。

また、コンサルティングを行う専門家向けに、相続に関する資格や教材を提供するビジネスも活発になっています。

このようなセミナー等ではよく節税対策や納税対策を切り口にしたものを目にすることがありますが、相続対策で一番大切なのは遺産分割対策、できるだけ「もめない」相続を実現することなのではないかと思っています。

もめない相続を実現するためには、被相続人となる人が生前に対策を考える必要がありますが、まずは現状確認、被相続人(となる人)と(推定)相続人の属性、つまり「人」の把握が必要となります。

年齢や配偶者の有無、どこに住んでいるのか、代襲者はいるのかなど、家系図や相関図を作成してあらかじめまとめておきます。あわせて被相続人(となる人)の「財産」の把握、現預金や有価証券、不動産や自社株式等をまとめた財産目録を作成して、財産内容を整理する必要があります。

その後で、どのように財産を分けるのか相続税はかかるのか・かかる場合にはどのように払うのか・節税対策は行えるのか、等を検討していきます。

また、財産の把握で一番重要かつ複雑なのは不動産、とくに「土地の相続税評価額」の算出となります。地主の方や賃貸オーナーの方の場合、財産の大半が不動産となるケースが多いので、土地の評価額が相続税額に大きく影響してきます。

この評価額をできるだけ小さくことにより相続財産全体の評価額と相続税額を低く抑えることが可能となり、結果より多くの財産を後世に遺すことも可能となります。

ただし、土地の評価の方法・手法は評価を行う専門家の知識やスキルによって人によって様々で、同じ10の評価の土地が9にも7にもなったりします。

できるだけ正しい評価や評価額を下げるコンサルティングを行うためには、相続に関する土地評価の知識が必要なのはもちろん、現場へ足を運び利用区分・地形の確認や測量を行い、実際に目で見て土地の属性を確認することも必要となってきます。

とくに東京23区以外では、公図や住宅地図と現場が違うケースが多く、登記簿謄本の地積との差異(縄伸び・縄縮み)がありますので、机上の評価だけでは不十分と言えます。

一方で、相続税の申告書を提出する割合は相続税改正前は被相続人全体の約4%、相続税改正後は約8%となっています。言い方を変えれば、相続税が改正をされても約9割の世帯には何も影響が無かったということになります。

相続に関する関心が高まっているのは良いことだと思いますが、ほとんどの世帯にとって大切なのは相続「税」ではなく、相続発生後にもめない「遺産分割」をすることにあると思います。これは税法が改正されるされないに関わらず、今も昔もこの先も変わらないこととなります。

相続税がかかるのか、それともかからないのかによって行う対策が変わってきますが、共通して必要なのは遺産分割でもめない対策を事前にたてることになります。