遺産分割が終わらないうちに次の相続が発生したら?

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相続が発生した場合、遺言書が無ければ相続人間で遺産分割協議が行われ財産が相続されますが、その協議が終わらないうちに相続人の一人が亡くなった場合にはどのようになるのでしょうか。今回はいわゆる「数次相続」についてお伝えします。

「数次相続」とは?

ちなみに相続税法には「相次相続控除」があります。相続の発生後10年以内に次の相続が発生した場合に、要件にあてはまれば次の相続時の相続税負担が少なくなります。

例えば父親が亡くなった2年後に長男が亡くなった場合で、父の相続(一次相続)の時に長男が相続税を支払い、2年後の長男の相続(二次相続)の時に長男の子(孫)が相続税を支払うことになるケースなどが当てはまります。

相続税の負担が発生しているということは、遺産分割協議が調い、相続税の申告が完了しています。

それに対して数次相続は民法の話になります。例えば父Aの相続の相続人が母Bと子C・D・Eの合計4人で、遺産分割協議の途中で子Cが亡くなったケースです。

父Aの相続に伴う子Cの相続権は、子Cの法定相続人が引き継ぐことになります。子Cに妻Fと子G・Hがいる場合には合計3人が子Cに代わって、父Aの相続における相続人となります。これが「数次相続」です。

数次相続と二次相続との違い

二次相続との違いは、数次相続は遺産分割協議や相続税の申告などが完了していない点です。そのため、上記の例では父Aの相続における相続人が4人から6人に増えています。

上記の例では相次相続の対象は子Cの1人ですが、遺産分割協議をしないまま時間が経つと、複数の人に相次相続が発生し、その分相続人の数が増えてしまう可能性があります。

相続人が多くなれば、遺産分割協議がまとまらなくなる可能性も高くなります。遺産分割協議はできるだけ早目に完了させたほうが良いという理由の一つが、この数次相続の問題です。

ちなみに父Aの相続においては、母B・子D・子Eは「相続人」、数次相続によって地位を引き継いだ妻と子G・Hは「相続人兼、子Cの相続人」となります。

数次相続と「代襲相続」との違い

また、数次相続と似たようなものに「代襲相続」があります。上記の家族構成ではじめに子Cが亡くなった場合、相続人は妻Fと子G・H の3人となります。

その後父Aが亡くなった場合、相続人は母Bと子供C・D・Eの4人となりますが、子Cがすでに亡くなっているために、その子であるG・Hが相続人となります。これが「代襲相続」です。

数次相続との違いは配偶者が相続人とならない点です。数次相続の場合には亡くなった方の法定相続人が相続権を引き継ぎますが、代襲相続の場合には直系卑属または兄弟姉妹が相続権を引き継ぎます。

亡くなる順番によって数次相続となるか代襲相続となるかを区別すればわかりやすくなります。代襲相続も数次相続と同じく、相続人の数が本来の相続人よりも増えますが、配偶者が相続人とならない分、人数は少なくなります。

代襲相続は遺された相続人にはどうすることもできませんが、数次相続はできるだけ早く遺産分割協議・相続手続きを行うことによって回避できる可能性が高くなります。

相続が発生したらできるだけ速やかに手続きをする、そのためには生前に分割方法を決めておいたほうがスムーズに話を進めることができます。

また、数次相続と代襲相続が同時に起こると相続人の数も多くなり、相続人間の関係も希薄になる可能性があります。どの家庭でも数次相続や代襲相続は起こる可能性はありますので、相続発生前の遺産分割対策や相続発生後の分割手続き等は早めに行う必要があると考えます。